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2015.10.17
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2015.10.17
人間が分泌するホルモンは、じつに100種類を超えているのだそう。ドーパミン、セロトニン、オキシトシン…、ヒトメボコラムでも様々なホルモンが登場しますが、正直言って、どれがどれだか分からない! という人も。そこで今回は、恋愛コラムニストのまついゆうへいさんに監修いただき、ホルモンのなかでも「フェロモン系」などと呼ばれる、恋愛と関わりの深い8つのホルモンについて解説します!
代表的な男性ホルモン。キリリとした顔立ちや、筋肉質で引き締まった逆三角形の美しい肉体、さらには低い声を作るなど、男性を男性らしくするためには欠かせないホルモンです。また、生存本能や狩猟本能を掻き立て、恋愛においても異性に積極的にアピールする『肉食的』な性格が備わります。分泌量が多い人ほど、攻撃的で支配的な性格になります。
(豆知識)
職業別にみると、最もテストステロンが多いのはアメフトの選手、少ないのは牧師というデータも。ちなみに、女性の体内でも男性の10~20分の1程度分泌されています。一般的には20代半ば頃までが分泌のピークで、それ以降は下降する傾向に。
テストステロンとは反対に、こちらは女性ホルモンの代表格。別名を卵胞ホルモンといいます。豊満な胸やウエストのくびれ、艶やかな髪の毛や美しい肌など、女性らしさをつくり出すのが特徴で、内面においても、優しく一途な性格を作りあげるとされています。また、美人と言われる人に多いぷっくりとした唇をつくるのも、エストロゲンの作用とされています。
(豆知識)
男性でもエストロゲンの豊富な人は女性っぽい性格をしています。また、ニューハーフの人の間では、エストロゲンの注射は一般的だとか。
「脳内麻薬」とも言われ、人に快感や多幸感を与えるホルモン。脳を覚醒させ集中力を高める作用もあります。もともと、どんな異性がタイプかは脳の扁桃体という部分が決めています。異性を前にしたとき、この扁桃体が「好みのタイプ」と判断すると脳からドーパミンが放出され、快感が全身に伝わり、鼓動が早まって胸がドキドキするのです。
(豆知識)
ドーパミンは、一度でも快感を覚えた行動を学習してしまうのが厄介なところ。お酒やタバコを「分かっているけれどやめられない」のも、すべてこのホルモンのしわざです。
多幸感や陶酔感をもたらし、「ハピネスホルモン」と呼ばれることも。ドーパミンのような爽快感や快感とは異なり、やわらかな心地良さをもたらしてくれます。じつは強烈な脳内ホルモンでもあり、モルヒネの30倍もの鎮静効果があるとされていますが、依存性はありません。おもに、家族や信頼できるパートナーと過ごすときに分泌されます。
(豆知識)
マラソンなどで長時間走り続けると気分が高揚してくる作用「ランナーズハイ」は、エンドルフィンの分泌によるものとの説も。
興奮したときや、ストレスを感じたときに分泌されるホルモン。恋愛がトントン拍子に進む人には分泌されない成分ですが、相手のことを好きでたまらないのに、自分の思い通りにならない…といった状況では大量に放出されます。呼吸を早めたり、血圧を上昇させたりする作用があることでも有名で、告白シーンや別れ話をされたときなどに分泌されます。
(豆知識)
「気持ちいい」と感じたときに分泌されると思っている人も多いですが、実際には間違い。またアドレナリンには不安や恐怖感を引き起こす作用もあり、落ち込んだり怒りっぽくもなります。
リラックス作用をもたらし、心身ともに落ち着かせてくれるホルモン。恋愛の初期段階で起こる『ハラハラ』『ドキドキ』といった感情とは異なり、ゆったりとして穏やかな安心感を得られます。セロトニンが不足すると気分が不安定になり、睡眠障害や情緒不安定に陥ることも。逆に豊富だと脳が活性化し、スッキリ前向きな気分が持続します。
(豆知識)
セロトニンは太陽の光に刺激され、目覚めと同時に分泌されます。そのため、早寝早起きを心がけるのがオススメ。また、よく笑うことでも分泌が高まります。
一目惚れや恋煩いなど、恋愛の初期段階にみられる現象はすべてPEAのしわざ。気分が高揚して性欲が高まったり、恋に溺れて食欲が落ちる、眠れなくなるなどの作用があり、まるで惚れ薬を飲んだように頭の中がラブモードに突入。特に、まだお互いを知り合えず不安定な状態のときや、好きな相手を追いかけている瞬間はPEAがどんどん分泌されます。一方、相手が自分の手中に治まり恋愛の安定期に入ると、分泌量は減少へ。
(豆知識)
PEAの寿命は、約3ヶ月~3年程度。PEAは中毒性も強く、長期間分泌され続けることは脳にとってよくないことでもあるので、自然に枯渇するよう調節されているのです。「恋の賞味期限は3年」と言われるのもこのため。
「愛情ホルモン」とも呼ばれ、人間同士の「ふれあいたい」と感じる欲求を高める効果があります。出産や育児と深い関わりがあり、母親と赤ちゃんの絆を強くすることでも有名。また、セックスでオーガズムに達したときにも大量に分泌され、男女の結びつきを強くします。セックス後にお互いを近い存在に感じられるのも、オキシトシンの作用によるものです。
(豆知識)
「カワイイ~」を連発する女性は、オキシトシンの濃度が高く母性本能が強い傾向アリ。男性がふいにみせる弱気な姿や無防備な寝顔にキュンとしやすいのも、オキシトシンの豊富な女性です。
さて、一気にご紹介しましたが、それぞれの特徴は分かりましたか? キュンとしたり、ハラハラしたり、幸福感を感じたり…恋愛では、これらのホルモンが相互に作用しあい、なんとも複雑な感情をつくり出しているんですね。
「感情を引き起こす原因(=脳内ホルモン)が分かれば、結果(=今の感情)を分析できるようになりますから、それに振り回されることもなくなります。恋とは、いかに自分の感情と付き合っていくか、いかに相手の感情とふれあっていくかです。ホルモンの知識を持っておくことが恋愛に有利に働くことは、間違いないはずですよ」(まついさん)
恋をしていて心身の変化を感じたとき、「もしかして、いま脳内ではドーパミンが放出されている?」などと冷静に分析してみるのも面白いかも!
(池田香織/verb)初出 2012/6/15
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