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2017.01.11
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2017.01.11
日本に法人企業は約260万社、つまりその数だけ経営者がいるということ。さて、もし社長を務める男性と結婚したらどんな生活が待っているのでしょう。社長夫人というと、優雅で贅沢な暮らし、ドレスアップしてパーティーに参加して…など、華やかな想像が駆け巡りますが……。今回はご主人が輸入食品会社を経営されている松尾知枝さんに、「社長との結婚生活」についてお話を伺いました。
合コンアナリストの松尾さん。出会いはやはり合コン? また、どのような結婚式だったのでしょうか?
「主人とは異業種交流会で知り会い、1年の交際を経て結婚に至りました。式は普通の式です。実は私は養護施設で育ったのですが、その施設を会場にしました。思い出がたっぷり残る自分の育った場所で大切な人たちに祝福され、温かで素敵な式になりました。ウェディングケーキも手づくりだったんですよ。主人や協力してくれたみなさんに感謝です」(松尾さん)
社長というと海外や一流ホテルでの豪華な結婚式を思い浮かべてしまいますが、予想に反してアットホームな手づくりの結婚式。お二人がなによりも人との絆を大切にしていることが伺えます。
いわゆる『社長夫人』というと、家事はお手伝いさん任せなんてイメージもあります。
「年末の大掃除だけは業者に頼みましたが、ごくごく一般的な生活スタイルですよ。ただ、社長という立場は非常に忙しく、分担が難しいので、家事は妻である私が全面的につとめる形です。主人が仕事に出ている間に、家事をしたり自分の仕事をしたり。はじめは両立できるか心配でしたが、普段は問題なくこなせていますよ」(同)
そんな生活を続けてもう3年半になるという松尾さん。まさにスーパーウーマンですね。
夫は社長、松尾さんもご自身のお仕事があります。お金に苦労することはなさそうですが…。
「とんでもない。結婚当初はまだ会社が安定しておらず、資金繰りが大変で、報酬が半年間ゼロ! なんてときがありました。黒字でも入金までにブランクがあるので、私の口座から夫へ緊急貸出をしたことも。毎月の生活費がカツカツで、月末になると財布がすっからかんになっていました。家計が苦しいと婚活パーティを開いて、会費収入を得たり、持ちよりの食べ物で乗り切ったことも。今はそんなことはなく、普通より収入がいいかもしれませんが、業績によってお金の出入りが激しく、社員と違い給与が保障されていないので、いざというときのために、お金をしっかり貯めておかないと、と思っています」(同)
なるほど。会社経営も良いときばかりではないのですね。新婚生活のピンチをならではのアイディアで乗り切った松尾さん。さすがです!
浮き沈みが激しい会社経営、社長にかかる重圧は相当なものでしょうね。妻に求められることはなんでしょうか?
「夫が帰宅すると真っ先に、仕事の愚痴や悩みを聞くようにして、仕事の緊張感から解放させてあげられるように努めています。また、自分の仕事で大きなプロジェクトに関われたり、第一線で活躍されている人にお会いできたりしても、夫にはプレッシャーになりそうなので、言わないようにしています。やはり夫をたてることが第一ですね。ほかに社長の妻として必要なのは、何があっても動じない精神的な強さだと思います。先に述べたように報酬がゼロなんてことがありますから」(同)
これから先も夫のサポートに徹し、自分の成功よりもまず夫の成功を後押ししていきたいと考えているそうです。最後に、社長と結婚して良かったと思うことは……?
「大きなリスクを背負いながら、社員の生活に責任を持ち、本気で仕事をしている人はカッコいい! 結婚して3年半経ちましたが、夫のチャレンジ精神を心から尊敬しています。会社が成長していく喜びを一緒に味わえることが、この結婚でいちばんよかったなと感じるところです」(同)
社長といってもそれこそ様々。なかにはもちろん絵に描いたような社長夫婦もいるとは思います。ただ、生活に余裕が出ても現状にあぐらをかかず、辛く苦しい時代を忘れずに日々精進するこの夫婦には、この先どんなことがあっても乗り越えていけるのだろうという地に足の着いた力強さを感じました。
(ウチダモモコ/コンセプト21)
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