ヒトメボ

作家・カウンセラー

五百田達成

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 「広告代理店Dに勤めています●●です」「商社Iの□□です」と会社名を言っただけで自慢話と解釈されたり、逆に「私ってモデルの△△ちゃんと友達でよく遊ぶんだ~」など、自慢のつもりで話したことがスルーされた経験はありませんか? また、あるところではすごく褒められた話が、違う場で同じ話をすると全然響かない…。こうした話の解釈の違いはどうして起こるのでしょうか?

聞き手側の事情によって解釈が大きく異なるから

「自慢話の解釈は聞き手側の嗜好、価値観、社会レベルなどによって異なります。そもそも、自慢話に対するリアクションは、ポジティブ、ネガティブ、無関心の3つのうちいずれかに分類されます。例えば、会社や学歴、年収などにコンプレックスを抱えている人が聞き手のときは、その類の話に冷たい態度を取ってしまいますし、相手の庇護に入りたいと思っている人が聞き手のときは、それらの自慢を賞賛するでしょう。そして、相手に対して特に深い関心を抱かないときや、自分も同じ程度のスペックがあると感じていると、『ふーん』と気のない返事をされてしまいます。このように、聞き手側の事情によって解釈は大きく異なるのです」(コラムニスト・カウンセラー・五百田達成さん)

 なるほど。聞き手の解釈が違うからこそ、同じ話でもリアクションに差が生じるのですね。とはいえ、話し手の自慢話の傾向や、それに対するリアクションに少なからず男女差があるのでは?

男性は武勇伝を、女性は自虐風自慢を語る傾向がある

「自慢とは『自分をより大きく、よりよく見せたい』という心理の表れ。外見やステータスなど、男女で自慢したい内容に大きな差はありませんが、男性は過去の栄光にフォーカスを当てて、昔の悪さや成功エピソードなどの武勇伝を語る傾向があり、一方、女性はあえて自虐に話をすり換えた自慢(自虐風自慢)をする傾向があるようです」(同)

 自虐風自慢…あまり聞きなれない単語ですが、具体的に教えてください!

自分を卑下する発言をして、フォローのリアクションを狙うこと

「自虐風自慢とは、『もっと大人に見られたいのに、いつも幼いって言われちゃうんだよね~』とか『私みたいなちゃらんぽらんな人間が社長だなんて、社会っておかしいよね~』といった自分を卑下する発言。これらは額面通りに受け取ると自虐のようですが、聞き手に『若く見られるなんて羨ましい』『そんなことないよ~社長なんてすごいじゃん』といったフォローのリアクションをしてもらうのが狙い。つまり褒めてもらうことで満足を得ようとしているのです。武勇伝も自虐風自慢も、基本的にはしないのが一番ですが、同性同士であればまだ黙認されがち。しかし、異性からはとことんウケが悪いのが実情です」(同)

 「武勇伝」「自虐風自慢」を異性の前で話すことは、褒めてもらえるどころか、逆に印象を悪くしかねないということですね。でも、お酒を飲んでいて気が大きくなっているときや、手強いライバルがその場にいるときなど、つい自慢話をしたくなってしまう場面も…。そんなときは、どうすればいい?

男性は、女性に「一生懸命な人」と映るように!

「女性は過去の栄光や未来の夢物語より、その人に今どんな実力があるかということに興味があります。ですから、男性が女性にポテンシャルなどをアピールしたいときは、過去の話ではなく、今の自分に至った経緯を伝えましょう。そのとき、具体的な年収や、学歴、会社名は挙げないほうがベター。いかにも自慢話という感じが薄れ、女性に『一生懸命な人なんだ』とポジティブに解釈してもらえるでしょう」(同)

 では、女性が男性に自慢話をしたいときは?

女性は、遠回し表現をやめ直接的に伝えること!

「男性には自虐自慢が遠まわしに感じるため、話し手の真意が伝わりづらいです。たとえ伝わったとしても、回りくどくネガティブに捉えられてしまいがち。ですから、女性が男性に自慢をするときは、『●●を頑張りました』など、直接的に伝えるほうがいいでしょう。そのほうが、『すごいね』や、『なるほどね』といった賞賛や共感のリアクションを引き出しやすくなると思います。

また、少しでも相手からの冷たいリアクションを避けるには、自慢話は自ら話すのではなく、相手に『スタイルいいね』『仕事の調子はどう?』など、質問されたときや、褒められたときに切り出すほうがいいでしょう。『これでもお肉を食べるのを控えていますからね』とか『仕事一辺倒でここ1年やってきたから、社内全体の営業成績で3位に選ばれたんだよ』などと言えば、ネガティブな解釈をされる確率は数段減ってくると思いますよ」(同)

 男性も女性も、「認めてもらいたい」「褒めてほしい」というときは、それまでの過程をつけ加えて話すと、誤解や不快を与えず上手に伝えられるかも。筆者も今後は、女性の前で悪自慢や武勇伝を語ったりしないよう、注意したいと思います!

(冨手公嘉/verb)
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ライター

冨手公嘉

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