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2016.08.16
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2016.08.16
アウトドアには「虫に刺される…」という悩みがつきものですよね。なかでも特に厄介なのが「蚊」…。そこで今回は、東銀座ウェルズクリニックの植村冨美子先生に、蚊やそのほかの虫に刺されないための対策と、刺されたときの正しい応急処置法を教えてもらいました。
「長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を避ける。とにかくこれが一番効果的です。蚊や蜂は黒いものをめがけて飛んでくるので、帽子で髪を隠し、目はサングラスで保護すると安全。虫の多い場所に出かけるときは、白っぽい服装がよいでしょう。虫除けスプレーは、メントール入りが清涼感もありおすすめです」(植村先生、以下同)
ふむふむ。ぬかりない装備で出かけるのが大切ということですね。
「さらに、ゼラニウムやニームなどの植物には虫を寄せ付けない効果があります。野山などで見つけたときは、ゆすって香りを出すと虫除けの補助になるでしょう。ちなみに、香水や化粧品の香料は虫を誘いますので、匂いのきついものは避けましょう」(同)
では、これらの対策を大前提として、うっかり虫に刺されてしまったときはどうしたらいいのでしょうか。まずは最も身近な「蚊」について聞いてみました。
「掻きむしることで皮膚を傷つけるのはもちろん、そこから二次感染を引き起こすこともあるからです。もし傷口から雑菌が入ると、蜂窩織炎(ほうかしきえん)という化膿性の炎症を起こすことも。これにより、例えば腕に1cm程度の赤い虫刺されがあった場合、腕全体の腫れと痛みにおそわれる恐ろしい状態に至ることもあります」(同)
「本当です。掻くとかゆみを起こすヒスタミンなどの物質が放出され、皮膚の血管が拡張することや表面に傷がつくことで刺激に弱くなります。このことで、余計にかゆみを感じやすくなるのです。かゆみ止めパッチ(貼るタイプのかゆみ止め)があると便利ですが、患部に絆創膏を貼っておくだけでも、掻くのを我慢する助けになります」(同)
「痛みの刺激の方が早く脳に伝わるので、かゆみを一時的に紛らわすことはできますが、かゆみそのものを消すことはできません。応急処置としては使えるかもしれませんが、肌へダメージを与えるので頻繁にやらないようにしましょう」(同)
「実験データなどから、血液型がO型の人は蚊に刺されやすいとよく言われますが、科学的根拠はありません。ただし、汗っかきの人は蚊に刺されやすいというのは本当です。蚊は体温、ニオイ、周囲との二酸化炭素の濃度の違いなどを感知して寄ってきます。汗っかきの人には体温が高く、新陳代謝の盛んな人が多いので、刺されやすいのです。同様に、お酒を飲むと体温が高く二酸化炭素の排出が増えるので、酔っているときは蚊のターゲットになりやすいと言えます」(同)
また、そのほかの虫に刺されたときも、次のことを覚えておくと役に立つはず!
「まず、刺された部位を流水で流し、傷口から毒成分を排出させます。そして、ハンカチ等で覆いながら患部を冷やしてください。かゆみや痛みを紛らわすのに冷やすのは効果的です。冷たいペットボトルや氷がある場合、それらを患部にあてておくのもいいでしょう」(同)
「軽いかゆみや痛みは、冷却作用や消炎作用により収まります。アロエやよもぎにはそれらの作用があるため、患部に塗ると炎症が鎮まることも。しかし前述したように、傷がある場合は細菌が入って二次感染を引き起こし、化膿する恐れがあるので御法度です」(同)
「重症になる可能性があるので、素人判断はしないこと! 応急処置としてできるのはハンカチで冷やすことくらいです。市販薬などの民間療法はせず、早急に医療機関に相談してください。その際、刺された虫をつかまえることが出来るなら、それを持参するのがベスト。状況に応じて必要な血清を打たないといけない場合もあるので、病院で適切な診断を受けるようにしてください」(同)
自己判断で間違った処置をすれば、本来なら1~2日もあれば治るものが悪化してしまう危険性も。虫刺されの正しい対処法を身につけ、安心してアウトドアを楽しみたいですね。
(池田香織/verb)
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