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2015.12.01
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2015.12.01
都会で育った子どもの目には、おじいちゃん・おばあちゃんがいる田舎の生活は新鮮に映ります。お正月に田舎に行ったときの思い出が強く胸に残っている方も多いのではないでしょうか。そこで今回は都会っ子のヒトメボ読者たちに、「冬に田舎のおじいちゃん・おばあちゃんの家に行ったときいいなあと思ったもの」を聞いてみました。
「親族が寄り集まって、庭でやった正月の餅つき。結構な大人数で20人くらい集まっていたと思う。杵と臼も大振りの本格的なもので、すごく活気があった。子どもたちも餅つきさせてもらって面白かった」(東京・27歳女性)
餅つきのわくわく感。子どもの目にはさぞ魅力的に映ったのではないでしょうか。
「小学生の頃、冬休みで毎年楽しみだったのは、おじいちゃんちの納屋の大掃除。みんなは家の方を掃除しているんだけど、おじいちゃんが僕だけを連れて納屋の掃除に行く。僕が納屋の掃除を楽しみにしていたので、おじいちゃんもそれをわかってくれていたんだと思う。納屋にしまってある農具やトラクターがかっこよく思えて仕方がなかった」(大阪・34歳男性)
田んぼや畑があるならセットで納屋があるのは当たり前、なのですが都会っ子にすればそのどれもこれもが新鮮です。
「近所のみんなが総出でやる雪かき。雪かきを通して地元の友達ができて、毎年雪かきのあとは彼らと雪合戦という流れが定番だった。だからおじいちゃんちに帰ると、大雪が降るのをいつも楽しみにしていた」(東京・30歳男性)
大人にとって、雪かきはやらなくてはならないことのひとつだったかもしれませんが、子どもたちにとっては楽しいイベントだったようです。
「おばあちゃんのうちにある石油ストーブがうらやましかった。近くに行くと顔がポワーッと暖かくなるのがよかったし、つけ方や匂いにも味があった。それに上に網をのせて、やかんでお湯を沸かす、お餅を焼く、みかんを焼く、するめをあぶるなどなどやっていたのもよかった」(東京・25歳女性)
東京都内では石油ストーブの使用が禁止されている物件も多いので、都会っ子はおじいちゃん・おばあちゃんの家で初めて石油ストーブを目にしたことも多かったかも。
「おじいちゃんちにあった火鉢が印象的だった。ひいおじいちゃんがいつもそばに陣取っていて、僕をそばに呼んで火箸で墨をつんつんつつかせてくれた。そのひいおじいちゃんが煙管を吸っていて、ときおり煙管の先をコーンと火鉢の淵に打ち当てて、灰を火鉢の中に落としていた。その様子がかっこよかった」(東京・38歳男性)
火鉢はストーブが普及する前の一般的な暖房器具です。火鉢とひいおじいちゃんと煙管…なんとも趣ある情景ですね。
「北海道のおじいちゃんちの暖炉が好きだった。子ども心には、そこで火がバチバチ燃え盛っているというだけでも興奮する。薪が少なくなってくると、家の裏の小屋に行って取ってくるのは僕の役目で、小学校高学年になってからは暖炉に薪をくべる役目もやらせてもらえるようになった」(千葉・30歳男性)
小学生くらいの年齢なら、暖炉のある暮らしといえば毎日キャンプファイヤーくらいの興奮度合いだったのかも。興味のあることのお手伝いなら、子どもにとっては仕事というより楽しみ材料です。
「おばあちゃんの家には家の中に普通に囲炉裏があって、それがまず羨ましかった。おばあちゃんが汁物を作って、囲炉裏に運んでそこからよそって食べる……あれのなんとおいしかったことか。あとあそこでおやきを焼いて食べたのもおいしかった」(神奈川・29歳女性)
囲炉裏は暖房や調理の機能に加えて、独特な色合いの照明に雰囲気があります。「ザ・伝統的な日本家屋!」といった趣ですね。
「田舎のおばあちゃんちは平屋建て。自分の育った家はマンションだったし、都会ではあまりない広い平屋、広い庭がうれしかった。家の中には、みんなで集まれる大きなこたつがあって、大人や子ども10人ぐらいが一緒に入れたような気がする(思い出の中で少し大きくなっているかも)。もうおばあちゃんは亡くなってしまったけど、ときどき思い出して懐かしくなる」(東京・32歳女性)
一回入れば出たくなくなるこたつ。こたつにみかんがあれば、日本の冬は完璧です。家族団らんの思い出ですね。
冬の思い出ということで、物理的な暖かさと人のつながり的な温かさを感じさせる暖房器具関連のエピソードが多く集まりました。おじいちゃん・おばあちゃんの家の冬の思い出…思い出しただけでもほっこりしてくる気がします。
(藤井弘美+プレスラボ)
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