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2015.11.28
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2015.11.28
失恋してしまい、もう可能性がないと分かっているのに、それでも好きな人を諦められず前に進めないケースってありますよね。忘れてしまったほうがいいのにそれができないとき、どう気持ちを次へと向かわせればよいのでしょうか? 心理カウンセラーの根本裕幸さんにうかがいました。
まず、諦められなくなってしまう心理状態とはどのようなものなのでしょうか?
「相手が思わせぶりなために、諦められないケースもありますが、多くは自分自身の執着が強すぎるために起きてしまいます。諦めることにより訪れる寂しさや、『好きな人はもう現れないのではないか』と不安になるなど、自分自身が原因なんですね。いわゆる『恋に恋する状態』であり、その状況を変えることを恐れている心理状態です」(根本さん)
諦められないのは、相手への恋心が強いというよりも、その状況を変えたくないという自分自身の気持ちが原因なんですね。そのため、「相手のNOという意思が入ってこない」と根本さんは言います。
「ですので、『交際人数が少ない人』や『交友関係が狭い人』、『人とのコミュニケーションがあまり得意ではない人』は、こういう状況になりやすいといえます。次の相手を見つける自信がないため、その人を諦めて、恋をしていない状態に戻るのが怖くなるんですね」(同)
また、「何かを集めるのが好きな人」や、「あまり人の助言を聞かない人」も、諦められない状態になりやすい傾向があるよう。根本さんによると、前者は「ハマりやすく、まっすぐ追い掛けがちなため」で、後者は「自己中心的な考えに陥りやすく、状況を都合良く捉えてしまいがちだから」とのことです。
諦められないのは自分自身に問題があるとしても、それでも「諦めて次に行かなきゃ」と焦りを抱えている人も多いはず。そんな人はどうすればよいのでしょうか?
「カウンセリングに来られた方には、『もう一度フラれてきてください』とよくいいます。相手と会って、本当に自分とは付き合えないのか、あえてもう一度聞いてみるんですね。諦められない人は、どこかで『まだ可能性はある』と思っている(言い聞かせている)ので、相手にきちんとフラれることで可能性がないことを自覚してもらいます」(同)
これは直球勝負の手法。ただ、それが厳しい人は友達に「残念会」や「なぐさめる会」を開いてもらうのも効果的なよう。「フラれたことをきちんと自覚する機会を作りつつ、仲間の存在により『寂しさ』を分散させる」(根本さん)とのことです。
さて、好きな人を忘れる手段として「次の恋愛にうつる」のはもちろん大事。ただ、ここに「注意点がある」と根本さんは言います。
「次の人を探そうと出会いを求めるのはいいのですが、できればフラれてから1、2ヶ月ほど置いて行動したほうがいいでしょう。フラれたことを実感する時間を設けないと、逆に気持ちの整理がつかず、相手を忘れられなくなってしまいますから」(同)
すぐに忘れようとし過ぎると、逆に深層心理で忘れられなくなってしまうということですか…。失恋のつらさから逃れようと急いで次に行くのではなく、まずは失恋をきちんと噛みしめたほうが、結果的に苦しまないのかもしれません。
誰だって失恋はイヤですが、恋愛をする以上、その可能性は多くの人にあります。もし恋に破れたとき、あるいは誰かを忘れられない状態になったとき、「きちんとフラれて失恋を噛みしめることで、むしろ次に進めるんだ」と自分に言い聞かせるのがよいかもしれません。
(有井太郎+プレスラボ)初出 2014/7/30
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