「世渡り上手」「第一印象は最高」　褒められているけど嬉しくなかったこと

　誰だって人から褒められたら嬉しいもの。褒められて嫌な気持ちになることはないだろうと思いますよね。しかし、言葉によっては｢良い意味だよね……？｣「なんだか素直に喜べない……」なんて心境になってしまうこともあるようです。そこで「褒められているけど嬉しくなかったこと」について、ヒトメボ読者に聞いてみました。

蚊に刺されなさそうでいいよね

「僕は毛深いのですが、女性からたまに『蚊に刺されなさそうでいいよね』と言われると、獣みたいに見られているんだなと傷つく。しかも刺されないほど毛が密集しているわけではなく、余裕で刺されまくる」（東京・34歳男性）

　犬や鳥など、毛や羽で覆われた動物たちも蚊には刺されます！　いっそ鋼のような体と心が備わっていれば蚊に刺されることもなくなり、この男性も少しは救われたかもしれませんが……。現状、獣に見られて蚊に刺され、踏んだり蹴ったりです。

毎日ヒゲを剃らなくていいから羨ましい

「体毛が薄い自分は、ヒゲが濃い俳優とかにずっと憧れている。ヒゲを濃くするために毎日一生懸命顔をヒゲ剃りで撫でているけどまったく効果がない。そんな自分に対して、ヒゲの濃い男性から『毎日ヒゲ剃らなくていいから羨ましいよ』と褒められてもうれしくない」（東京・26歳男性）

　毛の悩みがつきない男性は多いことでしょう。そして、人は自分にないものを求めがちな生き物です。隣の毛は青い。毛の濃い男性と毛の薄い男性はお互いに羨ましがり合う傾向があるのかもしれませんね。

世渡り上手だよね

「たまに『世渡り上手だよね～』と言われる。あまり悪意はなさそうなので、きっと褒められているはず……と思うんだけど、いまいち釈然としない」（神奈川・24歳女性）

　「世渡り上手」という言葉自体が、そもそも否定的なニュアンスを持つか持たないかというギリギリのラインなのかもしれませんね。人付き合いが上手い、などであればもっと素直に納得できるのでしょうが……。

名前が有名人っぽい

「顔とか全体的な印象から、『名前がもこみちっぽい』と言われること。周りは『たしかに！』とか言って盛り上がっているけど、こちらとしてはものすごく微妙」（東京・24歳男性）

　日本で一番オリーブオイル使いのうまいイケメンですし、はっきりと「もこみちに似ている」と言われたなら喜べたかもしれないのに……。もこみちさんも微妙なお気持ちだと思います。

謝るのがうまい

「謝るのがうまいことに定評がある。でもそれってそもそも謝らなくちゃいけないようなことをたくさんやらかしているということだし、全然かっこいい感じのイメージじゃない」（東京・30歳女性）

　とはおっしゃいますが、“謝り道”を突き詰めていくという未来もあります。「謝りにかけては日本であいつの右に出るものはいない」とか周りに言われてたら、相当かっこいいですよね。ぜひ極めてほしいです。

空気がおいしそうでいいな～

「うちの実家が超田舎だということを知ると、『空気がおいしそうでいいな～』と感嘆されることが多い」（東京・28歳男性）

　出身地いじりの発展形バージョンに、「（長野県出身の人に対して）日本の中心じゃん！」「（明石市出身の人に対して）時間に正確だね！」などがあるようです。褒めるべき魅力はもっとたくさんあると思いますよ！

冬に暖かそう

「太っているので、『冬に暖かそう』はよく言われる。女性に『じゃあ抱いてみろよ！』と言うと必ず引かれたり、『でも夏がね～』と返される」（神奈川・22歳男性）

　必ず引かれるのにその返しをやめないメンタルに拍手。そもそも熱を生み出すのは筋肉のはずなのに、脂肪のほうが暖かそうに感じるのはなぜなのでしょうか。

第一印象は最高

「私は上司や先輩の間で、『第一印象は最高』らしい。『は』ってなんなんだ、『は』って」（東京・29歳女性）

　理想型としては「第一印象からずっと最高」、次点で「第一印象も最高」、滑り止めで「第一印象が最高」あたりでしょうか。「は」っていう助詞は、「だけど――」と続きそうな危険なにおいがします。

　あからさまに慰めっぽい褒め言葉は別にして、褒められている分だけ救いがあるというものです。自分としては「褒められても嬉しくないこと」でも、客観的に見たら実は財産なのかもしれませんよ。もっと自分を愛してあげて！　……と言いたいところなのですが、なかなかそう簡単にはいかないから人間って難しいですね。

(藤井弘美＋プレスラボ)