ヒトメボ

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 街でたまに見かける、紫色の髪の毛をしたおばあちゃん。筆者が子どもの頃、初めてこうしたおばあちゃんに遭遇したときは、「白じゃなくて紫!?」と衝撃を受けたことを覚えています。しかし世間のおばあちゃん達のあいだでは、「これがオシャレなのよ」と言わんばかりに紫ヘアーが支持されている様子…。

 いったいなぜ、おばあちゃんになると鮮やかな紫色に髪を染めるのでしょうか? そんな疑問を知人の美容師さんにぶつけてみると、意外な理由が明らかに。

「日本人の白髪は厳密に言うと純白ではなく、少し黄ばんだ色をしているんです。そのため、何もせずに放っておくと、髪がパサついて見えたりしてあまり綺麗とは言えないんですよ。そこで、反対色にあたる紫を髪の毛に入れることで、黄みをカバーしツヤのある白髪に見せているというワケです。これは美容業界の間では常識です」(男性美容師さん談)

 なるほど。反対色を入れて、キレイな白髪に見せるという意図なんですね。でもやっぱり、白というか紫に見えるような…? それに、単純に白髪対策だけが目的なら、黒や茶色に染めてしまえばいいのでは?

「それも可能ではあるのですが、歳を重ねて頭髪全体が真っ白になったからには、白髪ならではの良さを活かすことをおすすめしたいです。その方が、年齢相応の美しさや上品さも出るものですし…。例えば芸能人では、佐伯チズさんなどがその例ではないでしょうか。実際、白髪染めをご希望されるお客様に、美容師側から紫色を提案することも多いんですよ」(同)

 たしかに、年齢にふさわしいオシャレを楽しんでいるおばあちゃんってステキです。でも中には、「うっすら紫」を通り越して、青紫に近いような、かなり濃い色の髪の毛をしているおばあちゃんも見かけますが…!?

「それはおそらく、髪が伸びるたびに何度も染め直すので、そのうち色が濃くなってしまうからでしょう。もちろん個人的な好みで、濃い青紫やもっと派手な色にしている方もいらっしゃいますが…。そうではない場合、やはり染め直しの影響だと思います」(同)

 なんと! ということは、元々紫色にしたかった訳ではなく、ただ白髪を綺麗に見せたかっただけなのに、気づけばすっかり紫ヘアーになっていたパターンもあるわけですね。おばあちゃんにとってもこれは誤算だったかも…(?)。

 とはいえ、これが案外気に入って、その後あえて濃い紫ヘアーを好むようになったおばあちゃんもいるとのこと。目立ちたがり屋のおばあちゃんなら、薄紫より少し派手なくらいがちょうどいいのかも!?

 紐解いてみると、意外と奥が深いおばあちゃんの紫ヘアーの謎。そのほかにも、調べてみるとこんな気になる説も発見しました。

 なんでも、日本では昔から「紫=高貴な色」とされ、身分の高い人だけに許される色として、着物などに使われてきたそう。歴史になじみの深いおばあちゃん世代には特に「紫は品があって格調高い色」というイメージが強いことから、自然と紫が好まれたのかもしれません。

 それにしても、同じ世代の男性ではあまり紫ヘアーを見かけないことを考えると…やはり女性は「何歳になってもオシャレを楽しみたい」という気持ちが強いのかもしれませんね。もしかしたら数十年後、あなたの彼女も紫色に髪を染める日がくるかもしれませんよ…?

(池田香織/verb)
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ライター

池田香織

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