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2016.02.08
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絵本を読んでじんわり心が温かくなったことはありませんか? 絵本は人の心を癒すとともに、さり気なく、ときには力強くパワーを与えてくれるようです。
「絵本は心を素直にし、気づきや感情を自然に引き出してくれます。私は、大人にとって絵本そのものがセラピストのような存在だと感じます。いつでも黙ってそばにいて、読んだ人が自分のペースで気づくまで待っていてくれるからです。そしてそこから本来の姿を取り戻す方が多いですよ」
とは、絵本を通して心のケアを行っている絵本セラピストの竹下りこさん。今回は竹下さんに、今の自分にさよならしたい、変わりたいと思っているあなたへ、優しく背中を押してくれるような絵本をセレクトして頂きました。
*自分の気持ちに素直になれないとき*
「わたしとなかよし」
ナンシー・カールソン 作
なかがわ ちひろ 訳/瑞雲舎
「私には素敵な友達がいるの。それはね、わ・た・し! 私はいつも、私と一緒」自分のことが大好きなこぶたの女の子が、自分自身を大事にすることの大切さを教えてくれます。
「心が頑なになっていたり、弱っていたりすると、自分に自信がもてず、本当の気持ちを抑えてしまいがち。まずは自分自身をたっぷり労わって、心を満たしてあげましょう。この絵本が、どうしたら自分を大切にできるか、その具体的な方法を教えてくれることでしょう」(竹下さん・以下同)
「サウスポー」
ジュディス・ヴィオースト 作
はた こうしろう 絵
金原 瑞人 訳 /文溪堂
野球という共通の趣味をもつ少年と少女。お互いに気になって仕方がないのになかなか素直になれません。ぶっきらぼうな手紙を交換して気持ちをぶつけ合いますが……。
「ふたりの手紙を見ると、意地っ張りな言葉とは裏腹に、本当は仲良くしたい、理解してほしい、寂しい……などの気持ちが滲み出ているかのよう。『やっぱり素直が一番!』そんな気持ちにさせられます。読後は胸キュンの人が続出しています」
*自分を変えたい! でも一歩が踏み出せないとき*
「こくはくします!」
もとしたいづみ 文
のぶみ 絵/くもん出版
「大好きなゆうくんに告白する!」一大決心をしたはるなちゃん。でもいざ幼稚園でゆうくんを前にしたら急にドキドキ。どうしよう?
「何かをやってみようというときに、結果ばかりが気になり、進めなくなってしまうことはありませんか。頭で考えているだけでは何も始まりません。はるなちゃんのように思い切って行動に移してみては? この本が可愛らしい味方となって、あなたの背中を押してくれますよ」
「とべバッタ」
田島 征三 作/偕成社
恐ろしい天敵から身を守り、びくびく隠れながら暮らしていたバッタが、意を決して大空に飛び立っていくお話。ラストには思いがけない展開が! お見逃しなく。
「勇気ある選択をして敵を打ち倒し、自分を変える旅に出るバッタ。その姿を見ているだけで力が沸いてきます。バッタのように、こうと決めたらそれを貫き、自分らしく尽き進めたら素敵ですね」
*恋に臆病になってしまったとき*
「ぼくはニコデム」
アニエス・ラロッシュ 文
ステファニー・オグソー 絵
野坂 悦子 訳/光村教育図書
ニコデムは内気で気弱な男の子。大きくて強い「スーパーニコ」に変身したいと思っていましたが、ビオレットとの出逢いで気付きます。ありのままでいいんだということに。
「恋の力は偉大です。『大好きなビオレットに花束をプレゼントしたい』という一心で、弱気なニコデムが大変身するのですから。結局大きくも強くもないそのままの自分を受け入れることができたニコデム。人を好きになることの素晴らしさに触れ、思わず笑顔になれそう」
「ミュージック・ツリー」
アンドレ・ダーハン 作
きたやま ようこ 訳/講談社
ねこくんがうさぎのロージーの為に心をこめてバイオリンを奏でると、音が音符になって落ちてきました。それを集めて土に埋めたら、音楽の木になりました。
「相手への想いが素敵な音色となって音楽の木となり、二人で大きく育てていくとは、なんともロマンチック! ねこくんの思いに向き合うロージーの反応にもご注目。女子力アップの参考になります。微笑ましい二人の姿を見たらきっと恋をしたくなりますよ」
「絵本から何を読みとったかに正解・不正解はありません。読み手がどう感じるかは自由なのです。その自由さ、おおらかさも絵本の大きな魅力だと思います」と竹下さん。
今のあなたの心にピッタリ寄り添ってくれる絵本を探してみてはいかがでしょうか? 自分の心と素直に向き合って初めて、解決の糸口が見えてくるものです。ギュッと閉ざした心を和らげ、絵本が持つ愛のパワーをキャッチしてみてください。素敵な恋が訪れるはずです。
(ウチダモモコ/コンセプト21)初出 2014/5/24
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