ヒトメボ

コスメエキスパート

関根千恵

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読了時間:約5分

 使いきる前に次から次へと新しいコスメを買ってしまい、結果、使いかけのものが部屋にゴロゴロ…なんて人もいるのではないでしょうか。捨ててしまうのはもったいないけど、“1年ぶりの化粧水”なんかは、さすがにドキドキしますよね。う~ん、これって使っても大丈夫なもの?

「結論から言えば、捨てたほうがいいでしょうね。ただ、未開封の場合は話が別。というのも、薬事法では『通常の保管条件下で3年以内に変質するもの』には有効期限表示をするよう定められています。その製品に有効期限の表示がないのであれば、製造から3年以内ならまず大丈夫だということ。直射日光が当たらず、湿度・温度ともにそれほど高くない“通常の保管条件下”で保管されていたなら使用しても問題ないでしょう」

 こう教えてくれたのは、オーガニック化粧品ブランド「ミッシェルビオ」の開発にも携わる、コスメエキスパートの関根千恵さん。

 未開封はともかく、開けて1年も経った化粧水は使わないほうがいいんですね。ただ、コスメには「開封したあと××までに消費してください」という期限は特に記載されていませんよね? ジュースや食料品と同じように一度開封したら早く使ったほうがいいのだとは思いますが、コスメは1日2日で消費できるものでもありません。

 専門家の目から見て、「肌への悪影響がなく、コスメとしての効果が感じられる期間」というと目安はどれくらいなんでしょうか?

「メーカーの立場から言えば、どんな製品も開封後は2~3ヶ月以内に使い切ってほしいところですね。その期間なら、多少雑な扱いをされていても変質する可能性が低いからです」(関根さん)

 もちろん、開封後ではあっても“冷暗所で保管する”“キャップのフタをきちんとしめる”などの基本を守っていれば、実際にはもっと長く使えるケースも多いそう。

 とはいえ、「もっと長く使える」にもきっと限度があるはず。 そこで、開封したアイテムごとの「肌への悪影響がなく、コスメとしての効果が感じられる期間」の目安を教えて頂きました。

※あくまで一般論ですので個別の商品の状態について心配な場合はメーカーに問い合わせてくださいね。

スキンケアやベースメイクは「半年」

「化粧水や美容液、化粧下地、日焼け止め、リキッドファンデ-ションなど、ベースが水分のものはワンシーズン~半年を目安に早めに使いきりましょう。水分は空気に触れると酸化し、徐々に雑菌が繁殖していきます。そんな状態のものを使用すると、肌あれの原因になってしまいますよ」(関根さん)

 “水分”がコスメの消費期限を考える際のひとつのポイントなんですね。季節が切り替わる春先は、つい去年の使い残した日焼け止めを使ってしまいそうになりますが、これは控えたいもの。また、容量の大きいコスメはお得感があるけど、肌のことを考えたら、小さい容量のものをこまめに使いきっていったほうがいいのかも。

口紅やチーク、パウダーは「2年」

「口紅やリップクリーム、チークやおしろいなど水分が少ないものは、半年~2年が目安。これらの製品のベースは油分なので、雑菌が繁殖することはありません。しかし、時間がたって油分が酸化したものを使用すると、ニキビや毛穴の黒ずみを招くこともありますし、長い目で見れば肌の老化にもつながります。油は酸化するとクレヨンのようなニオイになるので、心配な場合はチェックしてみてください」(同)

 期限に幅があるのは、使い方に個人差があるから。たとえば、“おしろいのパフやブラシをこまめに洗っているか”などがポイントになるそう。肌に直接触れるものを清潔に保つよう心がければ、安心して長く使えるようになるんですって!

マスカラやアイクリームは「3ヶ月」

「マスカラはベースが水分なので、そもそもが早めに使い切ったほうがいい製品。“まつげに触れたブラシを液体の中に戻す”という行為が雑菌を繁殖させやすくするので、3ヶ月程度を目安にしてください。

また、目はデリケートな部分です。使用するなかで目に入る可能性が高い、アイクリームやアイライン、アイシャドウなどの目周りのコスメも、あまり長く使わないほうがいいでしょう。状態の悪いものが目に入ると、充血やかゆみの原因になります」(同)

 目周りには特に注意が必要だったとは! アイメイクに使うコスメは値段の割に長持ちするから、年単位で使ってました…。

「もちろん、どの製品も、ある程度の期間であれば問題がないよう、きちんと抗菌剤や酸化防止剤、防腐剤が入っているので、そこまで神経質になる必要はありません。

なお、抗菌剤や酸化防止剤、防腐剤そのものが敏感肌の人にとっては刺激となるため、オーガニックコスメの多くはそれらを使用していませんが、クマザサやローズマリー、バラなど抗菌作用のあるエキスで菌の繁殖を防ぐなど、きちんと製品の安全性を高める努力をしているので、こちらも安心ですよ」(同)

 そもそもはキレイになるためのスキンケア&メイク。ぱっと見て製造日がわからないものもあるし、当たり前だけど一度開けたコスメは早く使いきるほうが肌にとっては絶対に吉! 「もったいない」と開封済みコスメを貯めこんでいる人は、この機に整理してみませんか?

(小倉杏)
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ライター

小倉杏

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