ヒトメボ

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 一昔前の純愛ストーリーなら想いの深さを感じさせる振る舞いでも、今では立派なストーカーとして法に触れてしまいかねないものがあります。まだそんな言葉が一般的ではなかった時代に青春を送った人のなかには、「今思い返すと、あれは……」なんて思いあたる人もいるのではないでしょうか。そこで、「学生時代に片想いするあまりやりすぎてしまったこと」について、ヒトメボ読者に聞いてみました。

好きな女子を待ちぶせ

「最寄り駅と、通学に使う路線が途中まで一緒の女の子がいた。段々彼女が気になってきてやがて恋心へ。自分の存在をなるべく彼女に印象付けようと、さりげなく同じ車両に乗るようにしたり、駅に早めに着いて広場で本を読むフリをしながら彼女が現れるのを待ったりした」(東京・28歳男性/高校時代の思い出)

 小説か何かでこういった話に接すると、「ああ、ウブで淡くていいなあ」という気にさせられるものですが、現実だとお巡りさんが出動する話にもなりかねません。世知辛く、切ない世の中になってしまいました。が、怖いものは怖い……。

好きな男子を待ちぶせ

「女友達を伴って、好きな男子を学校帰りに何度か待ちぶせしたことがある。2人でキャーとか言って、楽しかった」(大阪・25歳女性/中学時代の思い出)

 女子中学生が華やいだ青春を送っている様子が伝わる微笑ましいエピソードです。友達と連れ立っていることもあってストーカー的薄暗さからは隔たっていますが、「待ちぶせ」はストーカーの代名詞的行為としてひとまず押さえておきたいところ。

好きな女子が帰宅するまで見届ける

「通学路に痴漢が出たというので、頼まれもしないのに好きな子のあとをつけて、無事帰宅するまで見届けていた。『黙って見守るおれ男らしくてかっけー』と思っていたし、実際に痴漢が出てきた時にどう対処するかをシミュレーションしたりして、『痴漢出ないかな』とか願っていた」(神奈川・30歳男性/中学時代の思い出)

 振る舞いの是非はさておいて、心意気自体は非常に男らしい、意義のあるもの。とはいえ、本当に痴漢が出没することを願ってしまっているあたり、危ない道への一歩を踏み出してしまっている気がしないでもありません。

消しゴム10個に好きな女子の名前を書く

「当時、『好きな人の名前を書いた消しゴムを、誰にもばれないまま使い切ったら結ばれる』という噂を耳にして、消しゴム10個くらい用意して全部に名前を書いた」(東京・35歳男性/小学校時代の思い出)

 そんなおまじない、ありましたね。今でもあるのでしょうか。しかしさすがに消しゴム10個に……となると、おまじないというより呪いっぽい雰囲気も漂います。「消しゴムは多いほどいい」と考えておまじない本来のゴールから遠ざかっているあたり、小学生男子の「勢いだけ」的なかわいらしさがあります。

好きな男子に勝手にお弁当を作って渡す

「隣のクラスの好きな男子に、勝手にお弁当を作っていった時期が1週間くらいあった。お昼休みに教室の入口に渡しに行くと、周りから『嫁が来たぞー!』とか言われて、私も満更でもない気分。彼も受け取ってくれていたけど実は困っていたらしく、保護者経由で情報が回って、母から『困ってるみたいよ』と注意された。恥ずかしすぎて今思い出しても死にたい」(東京・26歳女性/中学時代の思い出)

 恋する乙女は猪突猛進。甲斐甲斐しい自分に酔えるのは中二病の一種でしょうか。これと同じことを職場で妙齢の女性社員がやっていたらと想像すると、あざといと言いますか情念深いと言いますか、テイストが一気に変わります。そう考えてみると、「若い」って結構いろいろな面で免罪符になるものなのですね。

毎朝、好きな男子の下駄箱に香水をかける

「いとこのお姉ちゃんに香水をプレゼントされたのが嬉しくて、朝一番に学校に着いて、誰もいないのを見計らって、好きな男子の下駄箱にワンプッシュしていたことがあった。で、自分にも一吹きかけておいて、誰にも言わないけど『実は彼の靴と私の匂い、おんなじなのよ』みたいな。でも『なんか下駄箱が香水くさい』と問題になりそうになって、焦ってやめた」(神奈川・30歳女性/中学時代の思い出)

 背伸びしたいお年頃の少女が格好のアイテムを得たことで、犬や猫のマーキング行為とそう遠からぬ衝動に突き動かされてしまったに違いありません。香水だからまだ良かったものの、やはり他人の所有物に得体のしれない液体を噴霧してしまっては今も昔も問題になるでしょう。

好きな女子との架空のストーリーを話す

「ひそかに好きだった子がいて、友達に『この間その子と一緒に帰った』『日曜、彼女と街でたまたま会ったのでマックに行った』と嘘をついては羨ましがられ、悦に浸っていた」(東京・24歳男性/中学時代の思い出)

 こうしたニセ武勇伝を仲間内で言っているうちはかわいいものかもしれませんが、たとえば「その子と自分は付き合っている」とストーリーが徐々に発展し始めたり、相手や相手の好きな人を貶めるようなものになったり、それが仲間の外や彼女の耳に届くようになると雲行きはだいぶ怪しいものになっていきます。

好きな女子の家にいたずら電話

「男子で集まって、それぞれが好きな女子の家に電話して、相手が出ると切るといういたずら電話をしていた。ピンポンダッシュも同じく流行った。でも女子グループでも同じことをしていたらしい」(東京・32歳男性/小学校時代の思い出)

 まだ携帯電話がない時代ですから、いたずら電話をかける先といえば自宅の電話。好きな子の気を引きたい気持ちがなぜ電話を切る行為につながるのかさっぱり分かりませんが、何かドキドキするものがあったのでしょうね。もちろん、これもまた本当に迷惑な行為。子どものいたずらとはいえ、大人に知られたときはこっぴどく怒られたことでしょう。

 「恋患い」とも書きますが、皆さん若かりし頃はだいぶ患っていた模様です。今の感覚でこれらの体験談を見渡してみると、まずい気配がプンプンするものも結構混じっていますね。そこはあくまで当時のこと、若気の至りということで、どうかご容赦を!

(藤井弘美+プレスラボ)
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ライター

藤井弘美+プレスラボ

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