ヒトメボ

恋愛科学カウンセラー

荒牧佳代

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読了時間:約4分

彼女「今度の日曜日の記念日だけど、お店の予約取れた?」

彼氏「記念日って来週の日曜日だったっけ?」

彼女「そうだよ! 前に『記念日にはレストラン行きたい』って、私話したじゃん!」

彼氏「あ、そうだったかも。すっかり忘れてた…」

彼女「信じられない! 前にも誕生日の約束忘れたし、その前だって○○××△△…」

 先日とあるカフェで隣り合わせたカップルの会話。このカップルのように、男性が女性の話したことをきちんと覚えていなかったことに対して女性が怒り、同じ彼の過去の過ちの事例を引っ張りあげて、ネチネチと指摘する…そんなパターンでケンカに発展することってありませんか?

 周囲でよく耳にする話でも、「話を覚えない」のは男性に多く「同じ話を繰り返す」のは女性に多いような気が…。実はこれ、「記憶の優先順位」の違いから起こる現象だったのです!

「外部から得た情報はまず一時的に『海馬』に最長1ヵ月程ストックされます。その後に、必要か不必要かを選別し、選ばれた情報が『大脳皮質』に留まります。このとき、男女で記憶の優先順位が異なってきます。冒頭のカップルのように、彼がデートの約束を忘れてしまったのは、彼女との会話が彼にとってはその場しのぎの会話にすぎず、特別覚えておくべきではない情報と判断され『大脳皮質』に情報が移らなかったからなのです」(恋愛科学カウンセラー・荒牧佳代さん)

 なるほど。では、男性が「必要な情報」として記憶するのはどんな内容なのでしょうか?

男性は自分にプラスになるテクニックなどを記憶する

「男性は、『以前の彼女はどういうテクニックで落ちたか』とか、『どこそこのお店が美味しかった』といった、自分にとって覚えておくことでプラスになるテクニックや成功体験、性的に興奮したこと(あのときのセックスは気持ちよかった、女性のこの仕草がグッときたetc.)を大脳皮質に留める傾向があります。ですが、彼女とのデートの約束は『別れる心配のない(セックスが確約された)人』との話だと安心しきっているため、特別覚えておくべき事柄として認識されないことが多く、優先順位が低くなるのです」(同)

 だから、男性は彼女との約束ごとや記念日などを忘れてしまいがちなのですね。では、女性が同じ話を繰り返す理由とは?

女性は悲しみの記憶に敏感で防衛反応が働く

「女性は、自分自身に起こった出来事と感情を連動させて記憶する傾向があります。例えば、好きになった異性が自分に対して施してくれたこと(優しくしてくれた、おごってくれたetc.)と施してくれなかったこと(冷たくされた、浮気をされたetc.)など自分への『投資量(おもてなし度)』に関しては、ひときわ覚えています。

また、米国立衛生研究所(NIH)のマーク・ジョージ氏の研究によれば、男女それぞれ悲しい事柄を思い出した場合、男性に比べて女性の大脳辺縁系の血液量が男性の8倍にも増大して反応することが明らかになりました。つまり女性は男性に比べて『悲しみ』の記憶に対して敏感なのです。

そのため、ないがしろにされた記憶や、過去のトラウマなども強く覚えていて、ケンカのような衝動的な感情のときに『以前も言ったのにどうして覚えてくれなかったの? あのときも大切に扱われなかった』など過去の彼の言動を持ち出し、抑圧していた不満を彼にぶつけてしまうのです。ですがそれは、『もうあのときのような傷つく想いはしたくない』という心理による防御反応のひとつなのです」(同)

 なるほど。これなら男女が理解し合えず、ケンカが起きてしまうのも納得がいきますね。とはいえ、男性に話を覚えてもらう方法や、何度も話を繰り返す女性への上手な対応はないのでしょうか? 次回は引き続き、荒牧先生にその対処法を伺います!

(冨手公嘉/verb)
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ライター

冨手公嘉

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