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2015.11.30
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2015.11.30
低くて渋い声、高くて可愛らしい声。いわゆるモテ声とされる声ですが、「そんな声出せない!」「あんまり自分の声は好きじゃない…」なんて人のほうがきっと多いですよね。こうした声にまつわるコンプレックスってどうすれば克服できるのでしょうか? ヴォイスティーチャーの白石謙二さんに教えていただきました。
「ハスキーボイスの人は、しゃがれた発声をしているために、声にノイズが多くなりがちです。そのため、人によっては少しガサツなイメージを与えかねません。注意したいのは、声のかすれを防ごうとして、力んでしまうこと。ハスキーの人は声量を増やすとよりノイズが目立ってしまうので、普段より少し声量を抑え気味にしてみましょう。
また、ハスキーな人はもともと低い声の人が多いです。女性の場合は、意識的に声のトーンを上げることと、『マジ』『ヤバい』などの若者言葉を避け、上品な言葉選びをすることで、印象がガラっと変わります」(白石さん)
「本来、声の元となる音源は『声帯』でつくられます。さらにその音源は、鼻腔・口腔・咽頭などの『共鳴腔』というゾーンを使い、音を増幅させることで、声として外にでています。共鳴腔の中でも、鼻腔は最も音を増幅させられる場所。そのため、意外にも鼻声ぎみで喋ると声が通りやすいというメリットもあります(例:電車の車掌さんのアナウンス)。
とはいえ、口から出す音よりも鼻から出す音の割合が多くなってしまうと、鼻声は強調されます。鼻と口を使う配分を変え、口から出す音を増やすイメージを持って言葉を発してみましょう。そのとき、口の開きが小さくなっていると発声しづらいので、なるべく普段より口を開ける意識を持ちましょう」(同)
「日本人は早口の人が多いとも言われています。テンポよく流暢に話せるのはいいことですが、聞き取りづらく、話の内容について説得力に欠けることも。かといって、早口を直そうと全部をスローペースで喋ると、退屈で眠くなってしまいます。話し方に緩急をつけ、大事な部分のみゆっくり喋るようにすると、説得力が増しますよ。
また、早口になると声は高くなり、ゆっくり喋ると低くなります。高い声がコンプレックスの男性は、喋るスピードを抑えるだけでも声を低くする効果が期待できます」(同)
「滑舌が悪いのは、唇や舌の使い方が適切ではないことが原因。発音ごとの正しい動きを覚えないまま、間違った喋り方がクセになっている人が多いですね。こうした人には、唇や舌をテキパキ動かすトレーニングが効果的。『い/う/え/お/あ』の順で母音を繰り返し発声することで、横に開く唇の動きと、前に突き出す唇の動きを交互に練習できます。
舌の運動は、『らならならな…』『れねれねれね…』と、舌をつけたり離したりする動きを繰り返してみましょう。慣れてきたら、『らぬらぬらぬ…』というように、唇の開きと舌の動きを組み合わせた発声練習でレベルアップしてください」(同)
白石先生によると、発声方法のイメージを変えることに加え、実践的なトレーニングを取り入れることで、声の悩みは大幅に改善できるとのこと。とはいえ、どんなに声がよくても話し方次第で印象が左右されることも忘れずに。
「どんなにいい声でも、語尾がごにょごにょしていると自信がない印象を与えてしまいます。語尾は最後までハッキリ言い切ることも、イメージアップの大きな要素です」(同)
どんな声や話し方でも、本人のキャラクターと相まってそれがかえって魅力的に映ったりするもの。それに、もしそうした自分の声にコンプレックスを抱えていたとしても、ほんの少し意識改革をするだけで印象はカバーできるようですね。
(池田香織/verb)初出 2012/11/20
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