ヒトメボ

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「なぜご飯粒を残してはいけないか」という問題は、理屈よりマナーの領域。……ですが、子どもは理屈がないと納得しませんから、親は無理やりでも言葉で説明しようとします。そもそも理屈のないことですから、その説明のなかには、よくよく考えると首を傾げてしまうものも……。小さい頃、ご飯を残すと親に言われていたことについて、ヒトメボ読者に聞いてみました。

お百姓さんが汗水を垂らして作った

「『お百姓さんが汗水垂らして作ったものなんだから残したら罰が当たるよ』と両親から言われた」(東京都・44歳男性)

「いつも言われていたのは『米粒一つ一つを農家の人が流した汗水の数だと思って食べなさい』」(東京都・39歳男性)

田んぼのメンテ、田植え、雑草の除去、日照・気温・台風への気配りと対処、稲刈り、脱穀などの工程をへてお米ができるまで、農家の皆さんのご苦労は大変なものです。その苦労を考えると一粒たりとも無駄にするべきではありませんね。

料理を作ってくれた人に失礼

「残さず全部食べるのがご飯を作ってくれたお母さんへの感謝の気持ちを表すこと、と父にしつけられた」(東京都・33歳男性)

「ご飯を作ってくれたお母さんに感謝の気持ちを込めてご飯粒一つ残さず食べなさい、というのが我が家の教育だった」(京都府・37歳男性)

ご飯粒の一つも残さず食べることが「料理を作ってくれた人への感謝の意を表すること」だというのは分かりやすいかもしれません。自分がご飯を作る方に回ってみると、「全部食べてくれた」のは確かにうれしいことですからね。

世の中には恵まれない人もいる

「『世の中には食べたくても食べられない人もいるのよ。食べられることに感謝してご飯の一粒も残してはいけません』と言われていました」(東京都・29歳女性)

確かにおっしゃるとおりですね。日本には「もったいない」といういい言葉があります。ご飯粒一粒でももったいないと思い、食べられることに感謝するべきでしょう。

残すのは見苦しい

「お茶碗にご飯粒を残すのは見苦しい。汚らしく見えるから残さずきれいに食べなさい、とお母さんに言われた」(東京都・37歳男性)

確かに、お茶碗にご飯粒が残っているとあまり見栄えの良いものではありません。「汚らしく見えるか」は個人の見解かもしれませんが、そのように言って「残さず食べること」を習慣付けようとしたのでしょう。

目がつぶれる

「ご飯粒を残すと目がつぶれるよ、と言われた」(東京都・35歳男性)

メジャーではありませんが、「目がつぶれるから残さないように」というしつけの方法もあったようです。

米粒のなかに神様がいる

「『米粒の中には神様が住んでいるから粗末にしてはいけない』と母が言っていました」(東京都・33歳女性)

「『ご飯一粒一粒に7人の神様がいる。だから残したらあかんよ』と、母よりも祖母がよく言っていました」(埼玉県・30歳女性)

日本では八百万の神様がいらっしゃいます。なにせトイレにも「女神様がいるんやで」ですから、当然お米の粒の一つ一つにも神様がいらっしゃるのです。残してはいけません。

家庭でのしつけは「ご飯粒一粒も残さないように」というのが一般的でしょうが、実は日本での食材の無駄は年間1,800万トンもに及ぶようです(出典:ドキュメンタリー映画『もったいない!』)。戦争による飢えを経験したことのない世代の方が多くなっていますが、日本の良きしつけはこれからも続いてほしいものですね。もちろん言い方にはいろいろ工夫が必要かもしれませんが……。

(柏ケミカル@dcp)
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柏ケミカル@dcp

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