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2018.10.07
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2018.10.07
小学校の書写における毛筆、いわゆる習字の授業では、普段使っているペンや鉛筆ではなく筆と墨で字を書いていたので、特別な体験として強く印象に残っている人も多いのではないでしょうか。習字の時間の思い出について、ヒトメボ読者に聞いてみました。
「授業が終わったあと、片付ける時に筆に残った墨をちゃんと洗い流さなかったせいで筆の先がぱっくり……。でも、買い替えるのが面倒だったので、最後までその筆を使い続けました」(広島/29歳男性)
使用後に筆を丁寧に洗えていないと、筆先が割れてしまいます。きちんと手入れをすれば割れた筆先を直せる場合もあるのですが、子どもはあまりそんなことを気にしませんし、往々にしてものの扱いが乱暴なんですよね……。
「転校する前の小学校では『墨てき』と呼んでいたのですが、東京に引っ越してからは『墨じゅう』を使っていました。何か違いがあるんでしょうか?」(奈良/31歳男性)
『墨滴』は奈良にある株式会社呉竹さんの商標で、一般的な呼び方は『墨汁』なのだとか。地域や学校によって呼び方が違っているようです。
「まわりはシンプルな銀色の文鎮なのに、私の文鎮は龍が巻き付いている本格仕様で目立ってました(笑)。おじいちゃんが書道教室の先生だったので、硯もちょっといいものを持たせてもらっていた記憶があります」(熊本/26歳女性)
ほとんどの生徒は学校で購入した通常の習字セットを使っていましたが、なかには本格的な習字道具を持参している人もいました。当時はかっこいいなで済んでいた本格派の道具たちですが、実はかなりの値段がしたのだと大人になってから知ります……。
「納得の一枚ができたと思ったら、字を書くことだけに夢中になりすぎて名前のスペースを忘れていて、悲しみに暮れながら名前をとても小さく書くことが結構ありました……。しかも毎回上手く書けたときに限って……」(神奈川/33歳男性)
躍動感のあるいい字が書けた! と思ったら、名前を書く場所がほとんど残っていなくて悲しい思いをすることも。そもそも名前を書くスペースを空けた上で文字全体のバランスを取るのは難しいですし、文字よりも名前のほうが苦手だと思っていた人もいるかもしれません。
「何度か失敗を重ねた末、自信作が一枚できたので先生に持っていったら、あっさりと朱色の直しを入れられました(笑)。お気に入りの一枚だったから、持って帰って飾りたかったのに!」(京都/27歳男性)
これはいい字が書けたと思っても、大抵あっさり直しを入れられてしまうんですよね。習字の授業における字の良し悪しの基準は、小学生にとっては難解でした……。
多くの人は大人になるとなかなか筆を持つ機会もないものですが、小学校時代の習字の時間と聞くと、今でも墨の匂いを思い出せる人は少なくないのではないでしょうか。薄い半紙の上に墨で字を書くという特別な経験は、大人になっても忘れないものなのかもしれませんね。
(倉内ソタロー/ヒャクマンボルト)
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