ヒトメボ

東京工芸大学工学部メディア画像学科助教

森山剛

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読了時間:約3分

 恋愛が盛り上がる季節。世間にはどこからともなくラブソングが…。歌詞に自分の恋愛を重ねてときめいたり、相手を想って切なくなったり、恋愛中にラブソングを聴くと心が揺さぶられてしまうもの。実はこの心理現象には、ラブソング特有のパワーが秘められているそうで…。

 南ブルターニュ大学の教授らの研究によると、若い女性はロマンチックな歌詞のバラードを聞くと、男性のデートの誘いにのりやすくなっていることが調査の結果明らかにされたというデータを発見。ということは、同じラブソングでもポップな曲調よりもバラードを選んだほうが恋愛には効果的ということ?

低い響きが女性の心を動かす

「そうだといえるでしょう。そもそも、バラードというものはゆったりとした音楽をイメージしますよね。ゆったりとしたテンポの曲調の音楽は速めのテンポの音楽に比べて、声を出すときに声帯がゆっくり振動するという特徴があります。フレーズの歌い始めや歌い終わりをゆっくりと発声する歌いまわしは、生まれつきの声の高低に関わらず、胸に響く低めの音色がより多く含まれます。女性が声の低い男性に惹かれるように、歌声でもこの低い響きは女性にとって大きな魅力であり、心を動かすということが起こるのです」(声総研・森山剛さん)

 低い声の男性はモテるイメージがありますが、歌声にも同じことが言えるんですね!また、森山さんいわく、バラードにはこんな威力もあるとか。

低く長い声がメランコリックな感情を呼び起こす

「人間は悲しみや嘆きの感情を表すとき、『あーあ、なんでこうなるの~』といった具合に語尾をのばす傾向があります。ゆったりとしたバラード曲で低音の長く声がのばされると、聴いている側に悲しみや嘆きの感情を連想させ、メランコリックな感情を呼び起こすのです。弱さを見せる男性に対して、女性は母性本能をくすぐられるといいますが、バラードを聴いているときもこれに似た心理状態を招いているとも考えられるのです」(同)

 なるほど、ラブソングに多いバラードの歌声は、音声学的な観点からも女性の心を揺さぶる要素があったんですね。さらに「人気のラブソングには共通の法則があるんです」と森山さん。その法則とは一体?

高い音域のメロディが感情的・情熱的な印象を連想させる

「人気のラブソングには、低い音域のメロディだけではなく、サビで高い音域を含んでいる曲が多いです。なぜこのような曲が人気かというと、低い声の歌声は、安定感や理性的な印象を人に与えますが、低めの平坦なメロディが続くと、退屈さを感じさせてしまいます。しかし、高い音域のメロディがあることで曲に起伏が生まれ、感情的・情熱的な印象を人に連想させるのです。その高低差があるバラード曲こそ、長い間支持されるラブソングなんだと思います」(同)

 つまり、低くゆったりとした歌声で始まり、サビで高音に到達するというのが肝になっているんですね。たしかに、サザンオールスターズの『真夏の果実』だったり、MISIAの『Everything』、レミオロメン『粉雪』などが、その法則に当てはまるといえそう。そのほかにもこの法則に乗っ取ったラブソングはたくさんありそうです。このラブソングに秘められたパワーを、告白前やデート中にぜひ利用してみてはいかが?

(冨手公嘉/verb)
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ライター

冨手公嘉

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