髪、爪、鼻の頭…　恋人の見た目から体のSOSを察知する方法

　最近、仕事が忙しそうな彼。ムリがたたって体調を崩してしまったらどうしよう。もし、簡単に健康状態が分かる方法があれば前もってケアしてあげられるのに……。そこで、中国医学に詳しい薬剤師の猪越恭也先生にお話を伺いました。

「顔や髪の毛の状態などを見るだけで、簡単に健康状態を知る方法があるんですよ。もちろん見た目だけで全てを判断してしまうのは良くありませんが、病気を予防・早期発見するためのある程度の目安にはなりますね」（猪越先生）

　この方法は約2000年前に中国で生まれ、現在の医学でも1つの診断方法として使われているんだそう！ それでは、顔や体の一部に現れる症状とそこから分かる健康状態についてご紹介します！

唇がかさついている、切れている

「中国医学では、口の周辺に見られる症状は胃や腸などの消化器系と密接に関わっていると考えられています。このような症状があるときは、食べ過ぎやストレスなどが原因で胃が荒れている可能性が高いですね。こんなときは、消化の良いものをよく噛んで食べるようにしましょう」（同）

鼻の頭、手のひらが赤い

「鼻の頭が赤くなっている場合、血液を解毒してサラサラの状態に保ってくれる『肝臓』の働きが落ちているかもしれません。お酒の飲み過ぎなどが原因で肝臓が弱まると、血がドロドロになり血流が悪くなってしまいます。その結果、毛細血管が広がり表皮から透けてしまうことで、鼻の頭が赤く見えてしまうんですよ。

また、同時に手のひらが赤くなる場合もあります。肝臓は睡眠時に回復し血液が再生されるので、遅くても23時前には就寝しましょう」（同）

手や顔が脂っぽくてベトベトしている

「昼夜関係なくこの症状が見られる人は、代謝が落ちているか、またはカロリーの高い物を食べ過ぎている可能性があります。代謝を上げるために運動をしたり、甘いものや脂っこいものを控えた食事を心掛けましょう」（同）

髪の毛がぱさついている・切れ毛が多い

「髪は五臓の腎から分泌される性ホルモンと深く関係しています。ストレスや過剰な性行為によって腎の働きが落ちると、ホルモンの分泌が十分に行えなくなるため、髪の毛の質が悪くなることがあるんです。黒ごま、黒豆、ひじきなど、黒い食べ物を食事に取り入れましょう」（同）

顔全体の色が赤い

「頬がほんのりと色づく程度は健康的なのですが、頬の赤みが強かったり、顔全体が真っ赤になっている場合、狭心症や心筋梗塞などの心臓系のトラブルに注意が必要です。全身に血液をまわすポンプの役割をしている心臓の機能が落ちると、顔に熱がかたよるため赤くなってしまうんです。心臓を強くするために、散歩やストレッチなど軽めの運動をするといいですね。夜更かしも避けましょう」（同）

　顔色に表れる症状は他にも！

青っぽい…肝臓の不調

黒っぽい…腎臓の不調

黄色っぽい…胃腸機能の低下

白っぽい…呼吸器や皮膚が弱い

爪が割れている

「爪が割れやすい人は貧血の可能性があります。血液が薄いと爪まで十分に栄養が行き渡らないため、強い爪が作れなくなってしまうんです。また、肝臓の働きが悪い場合には、栄養の豊かな血液が作られなくなるので爪がもろくなります。肝臓の働きを回復させるために、ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜や、シジミなどの良質なタンパク質を含む食材を食べるようにしましょう」（同）

　す、すごい！ 体の表に現れるちょっとした変化で、なかの状態がいろいろと分かるんですね。

「体の不調を発見するには、普段から顔色や髪の状態などを注意深く観察することが大切です。この方法を使い、周りにいる大切な人たちにアドバイスしてあげてくださいね」と、猪越先生。

　大好きな人の顔や体の変化ってときに本人以上に気がつくもの。見逃さないようにしてさりげなく気遣うことができれば、2人の愛はさらに深まるかも!?

(岩本彩佳/short cut)

初出 2014/5/16