ヒトメボ

スパイスマジシャン

遠井香芳里

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 長い付き合いになるほど「またパスタ?」なんて言われてイラッときたりしません? そもそも手料理のレパートリーなんて多くないし…。料理がマンネリ化してくると、関係もマンネリ化しかねません。ここぞでピリッと効く方法はないものでしょうか。

「スパイスがおすすめですよ」と語るのは、スパイスマジシャンの遠井香芳里さん。

 スパイスって、カレーとかに入れるやつですか?

「一般的にスパイスは、料理なら味・香り・色をつけるために使います。けれど、食事以外に昔から有名なのが媚薬としての効能なんですよ」(スパイスマジシャン・遠井香芳里さん)

 遠井さんに恋愛に効くスパイスについて、聞いてみました。

スパイスの種類は3ケタにのぼる!? 正倉院の中からも出てきた!?

「スパイスはヨーロッパでもアジアでも古くから使われてきた食材です。実は日本でも歴史は古く、正倉院の宝物殿から出てきたものもあります。ですが、日本ではあまり食事に使われることはなく、現在でも漢方薬の材料として使われるなど、薬としての効能のほうが重視されたようです。何百種類とあるスパイスですが、昔あったけれど今はもうないものもあり幅広く奥深い世界です」(同)

性欲をかき立てるスパイスたち?

「恋愛におすすめのひとつがクローブです」と遠井さんが取り出したのは、黒茶の花のつぼみから茎までを乾燥させたもの。お肉の臭み消しによく使われるスパイスです。釘のような形をしているため、日本では丁子(ちょうじ)、丁香(ちょうこう)と言われてきました。

 2世紀末の中国では、皇帝に会うときのエチケットとして、一粒噛んで口臭を消してから会っていたそうです。

 実際に噛んでみると、ガリッと固く、舌がしびれるほど強烈で華やかな清涼感が。ガムや、うがい薬に勝るとも劣りません。匂いが強く、遠くからでも分かるため百里香(ひゃくりこう)とも呼ばれるそうです。」(同)

 このクローブに媚薬の効果があるんですか?

「はい。匂いの素であるオイゲノールという成分が入っていて、これが脳神経に作用して、男女共通に性欲をかき立てます。多すぎない程度に牛乳に混ぜて飲むことが精力増強に効くという方もいらっしゃいますよ」(同)

「他にも、パクチーの種から作るコリアンダーは、女性が好きな柑橘系のエキゾチックな香りのために、『千夜一夜物語』で愛の催淫剤とされていたり、とってもポピュラーなシナモンも『旧約聖書』の時代から王様はその香りで口説いたなんて話もありますね」(同)

スパイスワインで手軽にムードが盛り上げる

 では、これらのスパイスを上手に使う方法はないのでしょうか。

「スパイスワインがおすすめです。ロマンチックにもなりますし。作り方も簡単です」(同)

 材料は以下です。

 赤ワイン … 1本(750ml)

 シナモンスティック … 3本

 クローブ … 2粒

 水 … 少量

1.クローブと、2つに折ったシナモンスティックがかぶる程度の水を3分ほど煮立たせます。こうして香りと成分を水に移します。

2.温めたワインとこれらをすべて合わせれば完成。お好みでオレンジやリンゴなどのカットフルーツを入れると見た目にも華やか!

「クローブは肉料理に合いますからハンバーグやカレーに入れてもいいです。肉じゃがに入れると中華風にもなりますよ。シナモンはケーキやコーヒーにもよく使われますね。ただシナモンに含まれるクマリンという成分は肝臓を悪くするリスクもありますので、何でもかんでも入れすぎないほうがいいです」(同)

 ムードを盛り上げるスパイスで、いつもと違う雰囲気の演出。マンネリの打破や特別な夜など。ここぞというときに、ぐっとスパイシーな時間を過ごしてみてくださいね。

(三坂輝)
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ライター

三坂輝

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